2016年4月14日から連続的に発生した熊本地震では、益城町で震度7を計測し、阿曽大橋を崩壊させる大規模な土砂災害が発生しました。約50名の死者(関連死を除く)、18万人以上の避難者を生み、約10万棟の家屋被害が報告されています。都市部と山間部の広域にわたる被害は、これまでの地震被害の経験を活かせる部分も多くありますが、インフラが復旧しても避難者数が減少しないといった新たな課題も見えてきています。
異常な自然現象が頻発する中では,災害時の被害を最小限にとどめんとする減災の考え方が重要視されていますが, 減災社会を実現するための対策は,実現することが困難なものが多く,そこに存在する課題は多岐に亘りかつ複雑であるため, その課題解決には様々な分野の研究者が個々に取り組むだけでなく,相互に知恵を出し合い連携しなければならなりません。 さらに,このような形で得られた知見は,災害に立ち向かう地域に還元される必要がありますが, 知見を活かすには,地域に災害文化を醸成しておくことが求められるのも事実です。
本研究発表会では,地域防災に携わる土木工学,建築学,地学,情報学,心理学,社会学などの研究者および実務者が一同に集い, 実践的・理論的な研究発表を行い,それらについて様々な視点から討議するとともに,地域防災に関する今日的課題や今後の展開について議論する場とし, 防災計画学の体系化を目指します.
また,ここで得られた知見が各地域に還元されることにより,全国各地の地域防災力が向上することを期待しています. 平常時から広く地域防災力に関する情報交換を行い,研究上の課題を継続的に発見して対応し,その成果を共有化するとともに, 社会に還元していくためのネットワーク構築を目指しています.
防災計画,地域防災システムに携わる多くの研究者・実務者に参加していただけると幸甚です.