2018年7月に西日本を中心に全国を襲った平成30年7月豪雨災害は,複数県に渡り同時に洪水・土砂災害が発生し,200名以上の死者・行方不明者を出しました。この災害は,支援と受援による災害対応の限界を想起させ,地域防災力の重要性を再認識させるものでした。
異常な自然現象が頻発する中では,災害時の被害を最小限にとどめんとする減災の考え方が重要視されていますが,誰一人として取りこぼさない持続的な減災社会を実現するための対策は,実現することが困難なものが多く,そこに存在する課題は多岐に亘りかつ複雑であるため,その課題解決には様々な分野の研究者が個々に取り組むだけでなく,科学コミュニティの枠を超えたセクター横断の教育体制の下での「学び合い」(トランスディシプリナリアプローチ)が求められます。
本研究発表会では,地域防災に携わる土木工学,建築学,地学,情報学,心理学,社会学などの研究者および実務者が一同に集い, 実践的・理論的な研究発表を行い,それらについて様々な視点から討議するとともに,地域防災に関する今日的課題や今後の展開について議論する場とし, 防災計画学の体系化を目指します.
また,ここで得られた知見が各地域に還元されることにより,全国各地の地域防災力が向上することを期待しています. 平常時から広く地域防災力に関する情報交換を行い,研究上の課題を継続的に発見して対応し,その成果を共有化するとともに, 社会に還元していくためのネットワーク構築を目指しています.
防災計画,地域防災システムに携わる多くの研究者・実務者に参加していただけると幸甚です.